2019年12月23日、以前告知のあった養育費・婚姻費用の実証的研究についての報告があり、新たに算定表が公表された。
『養育費婚姻費用に関する実証的研究』(最高裁Webサイト)


詳細な論理的根拠までは上記のWebサイトには公表されていないが、先の日本弁護士会発表の算定表ほどの『増額ありき』という露骨さはないものの、基本的には、増額ありきという発想に基づいているように感じる。

というのは、明らかに2003年当時の標準的算定方式の作成の時点より、所得税率の増加や、配偶者控除が縮小、廃止されたり等々で、税負担が重くなっているにもかかわらず、どういう訳か、生活費の按分の基礎となる基礎収入の総所得に対しての比率が明らかに大きくなっている。
2003年算定表(給与所得者42%〜34%)
2019年算定表(給与所得者54%〜38%)

また、職業費についても、『被服費、履物』『通信』『書籍、印刷物』は世帯人数で除し、有職人数を乗じて総収入より控除するとあるが、仕事をしている大人とそうでない子ども達が、上記の3項目について等しく費用を要するわけがない。そして、15歳以上の生活費指数は下がっているものの、それ以下の子どもの生活費指数を大きく上げることで、『子どもを出汁にして』、多くの場合非監護親側の義務者の負担を大きくしている。それは、結果的に、当事者間の陰性感情を高め、親子の分断を生む要素の一つとなる場合も少なくないと思われる。

また、生活保持義務の考えて立っているはずであるのに、2003年版の標準的算定方式と同様に、収入が上がるにつれて、現実には平均的に留保されるはずの金額を考慮せず、直線的に生活費が上昇するというのも著しく不合理であろうと思われる。標準的算定方式は、そういう点では生活費に加えて、財産ないしは金銭の贈与まで含んでいると言っても過言ではない。
一人親世帯、子どもの貧困を大義名分にしている割には、増税により基礎収入は2003年より明らかに減少している、全く貧困と関係ない層の費用負担を大きくするのは、いかがなものかとも思う。

3組に1組が離婚する現実の中で、やり直しが許されない婚姻制度の下では、もう結婚はしないほうがいいかもしれない。